ウェルスナビのサイトを見ると、『手数料1%(年率)』(以下(年率)省略)が特徴の1つとして記載されていますが、実際この手数料は高いのか、それとも安いのか考えてみたいと思います。
そもそも『手数料1%』は正しいのか
そこからかよ、って話ですが大事な事なので。
『手数料1%』が正しいのか正しくないのか。 これは、払う方(利用者)から見たら間違ってるし、受け取る方(ウェルスナビ)としては正しい、と言えると思います。
ウェルスナビのサイトには、正確な1日分の手数料の計算式が載っていて、
1日分の手数料の計算式:計算日の時価評価額×1%(手数料率)÷365×1.08(消費税)
これを月末まで利用日数分繰り返して、次月の頭に払うそうです。
で、問題は赤字の消費税部分で、この部分入れると、正確に言ったら1%じゃなくて1.08%じゃんってなる訳です、細かい事ですけど。
実際ウェルスナビのサイトでも『1%(税別)』の表記が出てくるのは、スクロールバーをずずっと動かして、ページ中ごろまで行かないと出てこないんですよね……。 確信犯か!?
ウェルスナビの立場からしたら、消費税部分は自社の収益にならないので、『利用者から貰ってる手数料は1%だし!残りは消費税だし!』って事なのかもしれませんが、払ってる方からしたら『1.08%払ってるし!収益になる・ならないなんて知らんし!』って感じなので、ここでは手数料1.08%で考えていきたいと思います。
ちなみに、ETFや投資信託に投資する際の費用としては、購入時手数料・信託財産留保額(売る時にかかる手数料)・信託報酬があって、さらに自分でウェルスナビが扱ってるような海外ETF等を買う場合には、円を外貨にしなければならず、この時に為替手数料もかかります。
購入時・売却時の手数料は良いとして、信託報酬が分かりづらいですよね。 自分もイマイチですw
要は、そのファンドを運用してる会社がランニングコスト(と自分たちの収益)として、手数料を取ってる訳ですね、多分。
そのお金は購入者が直接払う訳じゃなくて、運用益から差し引かれてるので、間接的に払ってるイメージ。
で、ウェルスナビは、この信託報酬以外の手数料すべてひっくるめて1.08%って事です。
信託報酬は直で運用会社に行っちゃうからね、しょうがないね。
手数料1.08%の重み
次は支払ってる1.08%の手数料、これがどれくらい影響してくるのか、です。
初期投資金額40万円で20年間、分配金等の収益は全て再投資にまわす、いわゆる複利で運用した時の、手数料1.08%の影響が分かるように表をつくって見ました。
収益の年率はそれぞれ、2%・4%・6%として、同時に手数料が差し引かれたものとの比較も行ってます。
年数 | 2% | 4% | 6% | |||||||||
2% | 0.92% | 差額 | 4% | 2.92% | 差額 | 6% | 4.92% | 差額 | ||||
1 | 400,000 | 400,000 | 0 | 400,000 | 400,000 | 0 | 400,000 | 400,000 | 0 | |||
2 | 408,000 | 403,680 | -4,320 | 416,000 | 411,680 | -4,320 | 424,000 | 419,680 | -4,320 | |||
3 | 416,160 | 407,393 | -8,767 | 432,640 | 423,701 | -8,939 | 449,440 | 440,328 | -9,112 | |||
4 | 424,483 | 411,141 | -13,342 | 449,945 | 436,073 | -13,872 | 476,406 | 461,992 | -14,414 | |||
5 | 432,972 | 414,923 | -18,049 | 467,942 | 448,806 | -19,136 | 504,990 | 484,722 | -20,268 | |||
6 | 441,631 | 418,740 | -22,891 | 486,659 | 461,911 | -24,748 | 535,289 | 508,570 | -26,719 | |||
7 | 450,463 | 422,592 | -27,871 | 506,125 | 475,398 | -30,727 | 567,406 | 533,591 | -33,815 | |||
8 | 459,472 | 426,479 | -32,993 | 526,370 | 489,279 | -37,091 | 601,450 | 559,843 | -41,607 | |||
9 | 468,661 | 430,402 | -38,259 | 547,424 | 503,565 | -43,859 | 637,537 | 587,387 | -50,150 | |||
10 | 478,034 | 434,361 | -43,673 | 569,320 | 518,269 | -51,051 | 675,789 | 616,286 | -59,503 | |||
11 | 487,594 | 438,357 | -49,237 | 592,092 | 533,402 | -58,690 | 716,336 | 646,607 | -69,729 | |||
12 | 497,345 | 442,389 | -54,956 | 615,775 | 548,977 | -66,798 | 759,316 | 678,420 | -80,896 | |||
13 | 507,291 | 446,458 | -60,833 | 640,406 | 565,007 | -75,399 | 804,874 | 711,798 | -93,076 | |||
14 | 517,436 | 450,565 | -66,871 | 666,022 | 581,505 | -84,517 | 853,166 | 746,818 | -106,348 | |||
15 | 527,784 | 454,710 | -73,074 | 692,662 | 598,484 | -94,178 | 904,355 | 783,561 | -120,794 | |||
16 | 538,339 | 458,893 | -79,446 | 720,368 | 615,959 | -104,409 | 958,616 | 822,112 | -136,504 | |||
17 | 549,105 | 463,114 | -85,991 | 749,182 | 633,945 | -115,237 | 1,016,132 | 862,559 | -153,573 | |||
18 | 560,087 | 467,374 | -92,713 | 779,149 | 652,456 | -126,693 | 1,077,099 | 904,996 | -172,103 | |||
19 | 571,288 | 471,673 | -99,615 | 810,314 | 671,507 | -138,807 | 1,141,724 | 949,521 | -192,203 | |||
20 | 582,713 | 476,012 | -106,701 | 842,726 | 691,115 | -151,611 | 1,210,227 | 996,237 | -213,990 |
1.08%でも、20年後には10万円から変わってくると考えると、こういう複利かつ長期運用をするときは、数パーセントの違いが最後には大きくなってくるのが良く分かりますね。
例えば積立NISAの場合、全体で考えるとさらにこの20倍になる訳ですから、かなりの金額になります。
積立NISAに限らず長期投資では、リターンの安定していて信託報酬(ランニングコスト)が安い傾向にあるインデックス系が、さらにその中で少しでも信託報酬の安いものが好まれるのも分かりますね(アクティブ系の『ひふみ』もめちゃ人気ありますけど)。
長期運用の場合、頻繁に売り買いしないので売買手数料はあまり重視されなく、保有してる間ずっとかかってくる信託報酬が重要になってくるんですね。
結論、ウェルスナビの手数料うんぬんというより『長期運用する際、ランニングコストとして1.08%かかるのは影響が大きい』ですね。
手数料からは話が変わりますが、複利6%で20年後には元金3倍になるんですね。 20年間ずっと6%の運用益を出すというのは難易度的にどうかと思いますが、4%でも2倍以上な訳で。
VTとかVTIなんかは5~7%くらい出てるっぽいのかな?
はるか昔、日本の預金利息が、普通預金で3%、定期預金では6%近いという時代があったそうですよw
元本保証されて20年後に3倍近くになるんなら、そりゃーみんな貯金しますよね。
というか預金の利息で、現代の有名ETFと同じくらいの利率出してた事を考えると、月並みですが、昔は良かったんだなーとしみじみ思いますね。