もう3ヶ月も前のものになりますが、上記2つの記事で、ウェルスナビとETFを自分で購入する場合を比較した訳ですが、今回はウェルスナビと投資信託とで比較してみたいと思います。
理由としては、投資信託には購入手数料無料のインデックス系が増えてきており、それらを使ってウェルスナビと同じように投資していった場合、費用関係がどうなっていくのか気になったからですね。
ウェルスナビと投資信託の比較
購入手数料については双方とも無料なので、というかそういう投資信託で比較するつもりなので、差が出ないので無視するとして、保有中の費用を見てみましょう。
ETFとの比較と違って、まったく同じ銘柄を買う事はできないため、今回は信託報酬も考えます。
まずウェルスナビ。 ちなみに、年間の費用で比較します。
投資金額 | 投資銘柄 | 投資割合 | ETF経費(信託報酬) | ウェルスナビ経費 | 経費合計 ①+② | ||
(%) | (円) | (%) | (円) ① | (1.08% 円) ② | |||
100,000 | VTI(米国株) | 35.0 | 35,000 | 0.04 | 14 | 378 | 392 |
VEA(日欧株) | 31.8 | 31,800 | 0.07 | 22 | 343 | 366 | |
VWO(新興国株) | 13.2 | 13,200 | 0.14 | 18 | 143 | 161 | |
AGG(米債券) | 5.0 | 5,000 | 0.04 | 2 | 54 | 56 | |
GLD(金) | 10.0 | 10,000 | 0.40 | 40 | 108 | 148 | |
IYR(米不動産) | 5.0 | 5,000 | 0.43 | 22 | 54 | 76 | |
合計 | 100.0 | 100,000 | 118 | 1,080 | 1,198 |
投資金額10万の場合ですね、それをウェルスナビのリスク5の投資割合で表示してます。
信託報酬のパーセントは、楽天証券のものを使っていて、その合計は6銘柄で118円。
ウェルスナビの費用は1.08%で1,080円なので、信託報酬との合計で年間の費用は1,198円となります。 率で言いますと、1.198%です。
次は投資信託です。
投資金額 | 投資銘柄 | 投資割合 | ETF経費(信託報酬) | 証券会社経費(信託報酬) | 経費合計 ①+② | |||
(%) | (円) | (%) | (円) ① | (%) | (円) ② | |||
100,000 | 楽天全米株式インデックス | 35.0 | 35,000 | 0.04 | 14 | 0.1296 | 45 | 59 |
eMAXIS Slim先進国 | 31.8 | 31,800 | 0.11772 | 37 | 37 | |||
楽天新興国株式インデックス | 13.2 | 13,200 | 0.14 | 18 | 0.1296 | 17 | 36 | |
米ドル短中期債券ファンド | 5.0 | 5,000 | 0.8640 | 43 | 43 | |||
iシェアーズ ゴールドインデックス | 10.0 | 10,000 | 0.5038 | 50 | 50 | |||
SMT米国REITインデックスオープン | 5.0 | 5,000 | 0.5940 | 30 | 30 | |||
合計 | 100.0 | 100,000 | 32 | 223 | 256 |
比較なので、できるだけ同じ条件にしたいところですが、これがなかなか……。
とりあえずVTIとVWOのところには、確定で楽天バンガードシリーズがきますね。
そして、そのバンガードシリーズにはなぜかVEAがないので、対象が『先進国』で経費の安いSlimシリーズを。 しかし、Slim先進国の国別の割合を見ると、アメリカが多く入ってる・日本が入ってない等々ちょっと、というかかなり無理がありますが、とりあえず置いておきましょう。
株以外の、債券・金・(米国)リートにも、購入手数料無料で経費の安い適当なインデックス投信を当てはめたのが上記の表です。
そして年間の費用は256円(0.256%)で、ウェルスナビの場合と比べて1/4以下となりました。
うーん、思った以上にコスト安いですね。
投資信託のほうが年間コスト安くなりそうな雰囲気ですが、次はもうちょっと中身も考えます。 さすがに、楽天全米株式とSlim先進国がかぶってるのはあれなので。
ウェルスナビの株銘柄の割合は『VTI:VWO:VEA=35.0:31.8:13.2』で全体の80%を占めています。
これを株だけの割合に換算すると0.8で割り戻して、『VTI:VWO:VEA=43.75:39.75:16.5』、つまり『米株43.75%・日欧株39.75%・新興国株16.5%』です。
複数の投資信託を組み合わせてこの比率に近づけるのが良いんでしょうけど、かなり大変だと思うので、楽天世界株式(つまりVT)を使います。
楽天全世界株式の割合は、米株:日欧株:その他=52:32.5:15.5 とのことなので
ウェルスナビ 『米株43.75%・日欧株39.75%・新興国株16.5%』
楽天全世界株式『米株52.00%・日欧株32.50%・その他15.5%』
うん、充分近いと言えるんじゃないでしょうか(強引)。
株部分はこれで良いとして、次は株以外の債券・金・不動産ですが、この3つはヘッジ目的ですよね、多分。
…………金と不動産って要りますかね? 面倒くさいし債券だけで良くないですか。
ということでまとめます。
投資金額 | 投資銘柄 | 投資割合 | ETF経費(信託報酬) | 証券会社経費(信託報酬) | 経費合計 ①+② | |||
(%) | (円) | (%) | (円) ① | (%) | (円) ② | |||
100,000 | 楽天全世界株式インデックス | 80.0 | 80,000 | 0.10 | 80 | 0.1296 | 104 | 184 |
米ドル短中期債券ファンド | 20.0 | 20,000 | 0.8640 | 173 | 173 | |||
合計 | 100.0 | 100,000 | 80 | 276 | 356 |
コストは356円(0.356%)と若干増えましたが、内容はだいぶシンプルになりました。
さらにもう一息、楽天全世界株式インデックス(VT)と債券、この組み合わせにピンとくる人も居るんじゃないでしょうか。 そうです、最近発売された楽天インデックスバランスファンドです。
このファンドは、世界の株式(VT)と債券を一定の割合で保有するもので、均等型・株式重視型・債券重視型の3タイプから選べて、このうちの株式重視型が株:債券が7:3いうことで、上記表の株:債券=8:2に1番近いので採用します。
投資金額 | 投資銘柄 | 投資割合 | ETF経費(信託報酬) | 証券会社経費(信託報酬) | 経費合計 ①+② | |||
(%) | (円) | (%) | (円) ① | (%) | (円) ② | |||
100,000 | 楽天インデックスバランス(株式重視型) | 100.0 | 100,000 | 0.2446 | 245 | 245 | ||
合計 | 100.0 | 100,000 | 0 | 245 | 245 |
ついに、1つのファンドにまとまってしまいました。 そして、コストも245円(0.245%)で1番安いですね。
ウェルスナビとの差額は、953円(0.953%)で、この比較は年間での話なので、保有している年数分、この差額が積み重なっていく訳ですね。
はい、ということで、ウェルスナビと投資信託で保有コストを比べた場合、ウェルスナビが全自動投資な一方、自分でいろいろ考えたりやらなきゃいけない投資信託のほうが、手数料は安くなり、それが自然かと思います。
そして、ウェルスナビのかわりに投資信託を保有するぞっという時の、1番の問題というか肝がどういう構成にするかであり、これを考えるのが面倒なので、だからこそウェルスナビを選ぶ理由になっているという、なんかループしてる気もしますが、そんな感じです。
ここまでつらつらと書いてきたのは、自分だったらどうするかなぁというものであって、途中かなり雑&なんか楽天の回し者みたいになりましたが、実際楽天のバンガードシリーズとインデックスバランスファンドは、シンプルで組み合わせたりもしやすくて良い商品なんじゃないかなと思います、はい。
インデックスバランスの均等型に、楽天全米株式とかSlimシリーズのS&P500等の自分の好みの株式系を足して、比率を変えたりとかとか。
某有名な投資家が家族に、自分が死んだあとはS&P500に9割、残りは米債券に投資しなさい、と言ったっていう話をネットのどこかで見ましたが、投資はそのくらいシンプルで良いのかもしれませんね。
保有コスト以外の費用
購入手数料はともに無料、保有コストが安いのは投資信託、ときて残りの費用ですが、あとはリバランス・デタックス(税金対策)・売却手数料あたりでしょうか。
まずウェルスナビは上記3点すべて無料ですね。
投資信託の場合については、例えば前述の『楽天インデックスバランスファンド株式重視型だけ』という場合ですと、
リバランス→必要なし
デタックス→分配金はファンド内で自動再投資されるはずなので必要なし
売却手数料→無料
となります。 これは、1番費用のかからないパターンですね。
これも結局どういう銘柄・構成にするかで決まると思うので、その辺も投資信託の構成を考える時のポイントとなるんじゃないでしょうか。
まーでも、いまざっとインデックス系投資信託の売却手数料を見ましたが、だいたい無料でしたので、そうなると金銭コストはかからないけど自分で行う手間はかかるので、そこをどう考えるのか、とかそういう話になってきますね。
コストはだいたい分かったけど肝心の収益は……
費用のほうは概ね投資信託のほうが安くすみそうではありますが、『投資』であるからには肝心のどっちが儲かるの?っていう話になりますが、これは勿論、分かりませんw
ウェルスナビとETFの比較の場合、基本的に同じETFを購入するのを前提で比較するので、費用面だけ考えれば良かったんですけどねー。
という事で、収益は分からないけど、ランニングコスト等の費用面では投資信託のほうが明らかに安いと思うので、『1.08%なんて手数料払ってらんねぇ』とか『自分で考えたポートフォリオで投資するんだ!』となったら、投資信託で良いんじゃないでしょうか。